Pocketの代替アプリ8選【2026年版】ファイルで持つ

Pocketは2025年7月8日にサービスを終了した。Mozillaはエクスポートページを2025年10月8日まで開けておき、その後すべてのデータを削除した。まだ手元にpocket.csvがあるなら、あなたは運がいい方だ。なければ、この10年分のリーディングリストはもう戻ってこない。

乗り換え先を選ぶときに大事な教訓はひとつだけだ。「あとで読む」アプリとは、他人があなたのアーカイブを預かり続けるという約束にすぎない。PocketにはMozillaという後ろ盾があったのに、その約束は破られた。Omnivore(2024年11月に終了)や、それ以前のMatterのWebアプリも同じ結末をたどっている。

そこでこのガイドでは、2026年のPocket代替アプリ8つを、Pocketで問題になったポイントで比較する。料金、Pocketのエクスポートからのインポート、そして何より保存したものを自分のファイルとして持てるのか、それともまた借り物になるのかだ。

ひと目でわかる比較表

アプリ料金Pocket CSVのインポート保存先エクスポート形式おすすめの人
Raindrop.io無料、Pro 年28ドル対応RaindropのクラウドHTML、CSV、TXTブックマークと「あとで読む」を一か所にまとめたい人
Instapaper無料、Premium 月5.99ドル対応InstapaperのクラウドHTML、CSVPocketに一番近いシンプルさを求める人
Readwise Reader月9.99ドル(年払い)対応ReadwiseのクラウドMarkdown、CSV、Obsidian同期たくさん読む人、ハイライト、RSS、ニュースレター
Wallabagセルフホストは無料、ホスト版は年11ユーロ対応自分のサーバーJSON、EPUB、PDF、CSV二度とベンダーに依存したくない人
Karakeep無料、オープンソース対応(CSV/Netscape経由)自分のサーバーJSONAIタグ付けが欲しいセルフホスト派
Matter無料、Premium 年59.99ドル対応MatterのクラウドReadwise/Obsidian同期読み上げ機能を使いたいiPhoneユーザー
GoodLinks買い切り9.99ドル対応iCloudJSONサブスクなしで使いたいAppleユーザー
Minibase無料(月20件)、Plus 月5.99ドル一括インポート非対応自分のディスク上のMarkdownファイルそもそもMarkdownリンクではなく中身を所有したい人、ClaudeやChatGPTと組み合わせたい人

この表を見ると、ひとつのことがはっきりわかる。8つのうち6つは、保存データをまた自社のクラウドに置いている。自分で管理できるハードウェアにファイルを置くのは2つだけだ。Pocketから何かを学んだなら、まずはその2つから検討してほしい。

1. Raindrop.io:そのまま置き換えられる定番

Pocketの終了が発表されたとき、多くの人が移った先がRaindropだ。それには理由がある。Pocket CSVをワンクリックでインポートでき、タグもそのまま引き継げる。さらにPocketになかった機能、つまりコレクション、入れ子のフォルダー、まともな全文検索、Proプランでのページの永久コピーまで備えている。

良い点: 無料プランが充実していて、Proは年28ドル。ブラウザ拡張もモバイルアプリもひと通り揃い、リーダーモードも見やすい。

イマイチな点: あくまでブックマーク管理が本業で、リーダーは二の次。ハイライトはRaindropの中にしか残らない。そしてアーカイブはRaindropのクラウド、つまりPocketのときとまったく同じ場所にある。

おすすめの人: ブックマークとリーディングリストを同じ場所で管理したくて、あまり深く考えたくない人。

2. Instapaper:Pocketそのものに一番近い

InstapaperはPocketより古く、Pocketより長生きしている。やることはひとつ、記事を保存して、あとから読みやすい組版で読むだけだ。Pocketからのインポートも使えるし、アプリは静かで、ほとんどの人は無料プランで十分だ。

良い点: 読書体験は今でもこの中で一番。Kindleへの送信、速読機能もある。邪魔なものが何もない。

イマイチな点: 検索とハイライトはPremium(月5.99ドル)限定。Instapaperはこれまでに2回オーナーが変わっている(betaworks、Pinterest、そして再びbetaworks)。小さなチームで運営されていること自体は悪くないが、リスクの形はPocketと同じだ。

おすすめの人: 読むためにPocketを愛用していて、新しい概念を覚えたくない人。

3. Readwise Reader:大量に読む人のために

Readerはジャンルが違う製品だ。記事、PDF、ニュースレター(専用のメールアドレスがもらえる)、RSSフィード、YouTubeの文字起こし、Twitterのスレッドを取り込み、ハイライトを間隔反復学習やObsidian、Notion、Markdownファイルへの同期に活用できる。

良い点: 機能はこの中で最も充実している。そしてこのリストのクラウド型アプリの中で唯一、ハイライトやドキュメントをMarkdownとして自動で外に書き出してくれる。これでロックインはかなり和らぐ。

イマイチな点: 年払いで月9.99ドル、月払いなら12.99ドル。リーディングリストにしては高い。画面の情報量も多い。

おすすめの人: 研究者、書き手、そして週に10本以上の長文を読み、それを覚えておきたい人。

4. Wallabag:サーバーごと自分で持つ

Wallabagはオープンソースで、セルフホストできる。5ドルのVPS、Raspberry Pi、NASなどで動かせて、リンクだけでなく記事の本文をまるごと保存する。開発チームは何年も前にPocketのインポーターを用意し、Omnivoreが終了したときにはそのインポーターも出した。

良い点: データは自分のディスク上に、仕様が公開された形式で保存され、JSON、EPUB、PDF、CSVでエクスポートできる。サーバーを運用したくなければ、wallabag.itのホスト版が年11ユーロで使える。

イマイチな点: RaindropやMatterと比べるとアプリの見た目が古い。JavaScriptを多用する最近のサイトでは本文の抽出に失敗することがある。サーバー管理者はあなた自身だ。

おすすめの人: 2025年7月8日に「もう二度とごめんだ」と思った人すべて。

5. Karakeep:AIタグ付きのセルフホスト

Karakeep(旧称Hoarder)は、比較的新しいセルフホスト型の選択肢だ。リンク、メモ、画像を保存し、ページ全体のアーカイブを残し、LLM(OpenAI、またはローカルのOllamaモデル)ですべてに自動でタグを付ける。Dockerで10分あれば動く。

良い点: ちゃんと役に立つ自動タグ、ページ全体のアーカイブ、ブラウザ拡張とモバイルアプリ。すべて無料だ。

イマイチな点: まだ若いプロジェクトで、コミュニティはWallabagより小さい。リーダー画面も最低限だ。

おすすめの人: すでに自宅サーバーを動かしていて、Pocketがついに実現しなかったAIによる整理が欲しい人。

6. Matter:iPhoneで読むためのアプリ

MatterはiOSファーストで、それがよく表れている。タイポグラフィは美しく、読み上げ機能は素晴らしく、ハイライトをReadwise、Obsidian、Notionに同期できる。Webアプリはまずまずで、Androidはブラウザ経由のみだ。

良い点: このリストの中で、モバイルで読む・聴く体験は一番。

イマイチな点: Premiumは年59.99ドルで、良いところの多くはそちらに入っている。Matterは過去にも機能を打ち切ったことがある(ソーシャル機能、そして一時期はWebアプリも)。クラウド専用だ。

おすすめの人: 記事の半分を「聴いて」済ませるAppleユーザー。

7. GoodLinks:サブスクなし、サーバーなし

GoodLinksはMacとiOSのネイティブアプリで、9.99ドルの買い切り。データはすべて自分のiCloudに保存される。共有シートからの保存、タグ、オフライン閲覧、見やすいリーダー画面、ショートカットによる自動化に対応している。

良い点: アーカイブを預かる企業がいない、月額料金もない、速くて作りが丁寧。

イマイチな点: Apple専用。いつかAppleのエコシステムを離れるなら、JSONで書き出してゼロからやり直すことになる。Web版はない。

おすすめの人: 2012年のころのように、ツールを一度買って長く使いたいAppleユーザー。

8. Minibase:リンクではなく中身を保存する

Minibaseは逆側からこの問題にアプローチする。いつ消えるかわからないURLの一覧を持つのではなく、ページそのものをクリーンなMarkdownファイル(本文、見出し、コード、表、動画ならYouTubeの文字起こし)に変換し、パソコン上のフォルダーに置く。あとでエクスポートする必要はない。保存した時点で、それがもうエクスポートだからだ。

良い点: サイトが消えても、有料の壁の向こうに行ってしまっても、記事は残る。フォルダーはObsidian、VS Code、どんなテキストエディターでも開けて、VaultはClaudeやChatGPTにつながるので、これまで保存したすべてに対して質問できる。月20件まで無料、無制限は月5.99ドル。

イマイチな点: 読書アプリではない。「あとで読む」キューも、電車で読むためのスマホアプリもなく、Pocket CSVの一括インポートもない。まだ大事だと思うページを、1クリックずつ保存し直すことになる。

おすすめの人: Pocketを読書キューというより、アーカイブやリサーチツールとして使っていた人。そしてそのアーカイブをAIツールに活かしたい人。

Pocketのエクスポートを移行する方法

2025年10月8日より前にpocket.csv(またはハイライト入りのZIP)を保存していたなら:

  1. Raindrop、Instapaper、Readwise、Wallabag、Karakeep、Matter、GoodLinksはいずれも設定画面から直接CSVをインポートできる。タグも引き継がれ、既読・未読の状態もたいてい一緒に移る。
  2. リンク切れを確認する。 Pocketが保存していたのはページではなくURLだ。10年もののリーディングリストなら、20〜30%のリンクはもう開けない。Raindrop ProとWallabagはページを取得し直して、どれが消えたかを教えてくれる。
  3. 大事なものはファイルとして残す。 もう一度失ったら悔しい記事を50本か100本選んで、Markdownとして保存し、本文そのものを自分のディスクに置いておこう。URLの一覧は、どのリーダーを選んでもそこに置いておけばいい。

期限までにエクスポートしなかった場合、データはもう存在しない。Mozillaはサーバーを削除しており、復元する方法はない。気持ちを切り替えて、エクスポートを実際に試したことのあるツールを選ぼう。

どう選ぶか

  • 「とにかくPocketを返してほしい」 Instapaper。ブックマークも欲しいならRaindrop。
  • 「たくさん読んで、それを覚えておきたい」 Readwise Reader。
  • 「もう二度と企業に依存したくない」 自分のサーバーでWallabagかKarakeep。Appleの世界で暮らしているならGoodLinks。
  • 「ObsidianやClaudeで使うために、中身そのものをファイルで欲しい」 Minibase。スマホで読むために上のリーダーをひとつ併用しよう。

何を選ぶにしても、Pocketユーザーが「やっておけばよかった」と思ったことをひとつだけやっておこう。今日、一度だけエクスポートページを開いて、出てきたファイルがアプリなしで読めるか確かめること。読めないなら、あなたはまたアーカイブを借りているだけだ。


Minibaseはどんなページでも、クリーンなMarkdownファイルとして自分のディスクに保存する。拡張機能をインストールすれば、月20件まで無料で使える。あわせて読みたい:Web保存にはMarkdownとPDFのどちらがいいか、WebページをMarkdownで保存できるChrome拡張機能のおすすめ。

Continue reading

よりスマートに保存しませんか?

あらゆるウェブページをワンクリックでMarkdownに変換。

Chromeに追加